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クリニック経営ブログ

受付時間を過ぎた患者さんへの対応について

クリニック、診療所の経営コンサルティングを実施しています、
内科 眼科 耳鼻科、歯科クリニックの経営コンサルタント 根本和馬です。
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よくセミナーでもお伝えしているのですが、多くの問題は
「自分さえ良ければ良い」「私の主張が正しいのだ」
という感情が引き起こしているように思えてなりません。
換言すれば「相手にとって、何が良いのか?」と、
相手の立場や考え、相手の正義を思いやった時、その問題は
改善、解消へと進んでいくという事です。
例えば、クリニックでよく起こる問題として「最終受付時間を
過ぎて来院した患者さんを診察すべきか?」という事が
あります。
実質、完全予約制を導入している歯科クリニックであれば、
このような事は起こりにくいのですが、医科クリニックの多くは
予約制ではないだけに、何時にどれ位、患者さんが来院するのか
予想しづらいのです。
そういう意味においては、歯科クリニックよりも医科クリニックの方が
院長にとっては「経営予測が立てづらい」、スタッフにとっては
「何時頃に忙しくなるのか分かりづらい」という点で、ストレスが
溜まりやすい職場環境だと言えます。
さて、この「最終受付時間を過ぎて来院した患者さんを診察すべきか?」
という問題について考えた時、院長(医師、経営者)としての立場で
考えたら、
「患者さんが来院しているのに、診察しないなんてあり得ない。
遅れたと言っても、せいぜい5分程度だろう!?君たち、それでも
医療従事者か!?」
となります。
一方、スタッフの立場で考えたら、
「過ぎたのは5分と言っても、検査や診察をしていたら、
私達が元々帰れる予定の時間よりも何十分も遅くなってしまうんです。
それに一回でも、受付時間を過ぎて診察した患者さんは、次もまた
遅れてくる傾向にあるんです。そんな患者さんばかりが増えたら、
私達は一体何時になったら帰れるんですか!?」
となります。
ここで私(コンサルタント)の立場としてアドバイス出来るのは
以下の2点です。
1.どちらも正しい事を言っている(=どちらも間違っていない)。
よって、大切なのは、お互いの立場を理解し合うという事である。
上記のように、お互いの正しさをぶつけ合っても、この問題が
良好に解決するのは困難ですし、そもそも絶対的な正しさなど無いので、
結局お互いに歩み寄る事になるのです。よって、院長は
「やはり労働時間も守り、スタッフの健康に配慮するのも
院長の仕事だよな。これからは今まで以上に診察時間はしっかり
守らないとな。みんな、いつも頑張ってくれてありがとう」
というメッセージを伝えたり、実際に改善する姿勢を
見せる事が大切です。一方、スタッフは
「先生は医師なんだから、ひとりでも多くの患者さんを救いたいと
思っているのよ。それに自分のやりたい医療を提供したいという気持ちが
強いからこそ、開業したんだし。だから、ひとりでも多くの患者さんを
診ていこうよ」
というメッセージをスタッフ間で伝え合ったり、その姿勢を
院長に伝えていく事が大切です。
2.「当院においては受付時間が〇時なので、〇時までに
来院した患者さんにおいては診察する」と、明確なルールを決め、
それをしっかりスタッフに伝え、クリニックの文化にする事である。
いくら医療機関でも、やはり診察時間は守らなければなりませんので
前述したように「当院においては受付時間が〇時なので、〇時までに
来院した患者さんにおいては診察する」という事をスタッフに伝え、
理解を得て、それを患者さんにも伝え、クリニックの文化としていく事が
大切です。
厳密にやるならば、スタッフには入社オリエンテーションの際に、
患者さんには初診で来院した際に、この旨について書いた用紙を
渡すのも一案かと思います。
今回の内容は、クリニックでよく起こりやすい問題ですので、
ぜひ参考にして頂ければと思います。
この内容がクリニック経営の学びや気付きになられましたら、
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