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スタッフのモチベーションアップ

成功事例集

「挨拶」がモチベーションを下げる?

医経統合実践会は「スタッフをクリニック経営に巻き込むコンサルティング」をご提供しているため、スタッフの方と20~30分程度の個人面談を実施しています。

そこでは「現在、仕事をしていて悩んでいる事や困っている事はありませんか?」と質問しますが、そこで意外に多いのが、
「朝、院長先生に挨拶した時に、ちゃんと挨拶を返してくれません」

「朝の院長に挨拶した時のリアクションで、院長の今日の機嫌を判断しています」

「”院長、今日は朝、ちゃんと挨拶を返してくれるかな?”と思いながら、通勤しています」

という「院長の朝の挨拶」についてのお悩みです。

スタッフのモチベーションを上げるには、何か特別な取組みやノウハウだけでなく、このような日々の行動こそが大切なのだという事が、ここからよく分かります。

理想的には、ひとりひとりのスタッフに「〇〇さん、おはようございます!」と、名前を添えて挨拶する事ですが、それは結構ハードルが高いですので、せめてスタッフひとりひとりの眼を見て「おはよう(ございます)!」と、元気よく挨拶する事が大切です。

「やる気」ではなく「仕組み」で改善する

医経統合実践会では、新人教育の一環として、試用期間中の新人に毎日業務日誌を書いて貰う事をお勧めしています。

業務日誌を始めたクリニックから、たまに「新人に”今日の分の日誌は?”と聞くと”忘れました”って言って、持ってこないんですよ」というお悩みを聞く事があります。

この時、院長先生や先輩スタッフは「明日にはちゃんと持って来てね」「しっかり毎日提出しないとダメですよ」と言う事が多いです。

しかしこの「ちゃんと」とか「しっかり」と言うのが曲者です。それこそ、その指示が新人に”しっかり”伝わっていない事があります。

そのような形よりも有効なのは「試用期間中の日誌提出量が60枚以上になったら、常勤になるためのテストを受けられる」などの仕組みを作ることです。

これは「日誌を毎日出さない」というのは、イコール「常勤になれない」という事です。

このような仕組みにする事で、日誌提出に対する意識が上がり、毎日出すようになります。換言すれば、このような仕組みにしても尚、提出しないという事は、その新人はクリニックに合わない可能性がありますので、試用期間終了と同時に、きちんと労働基準法に則って、辞めて頂くというのが良いと思います。

これは「良い」「悪い」ではなく、その人材がそのクリニックには合わなかったという事であり、違うクリニックでは成長するかも知れないのです。

合わない者同士が無理に仕事を続ける事は、お互いに不幸になります。
だからこそ、試用期間というのは非常に重要な期間という事ですね。

曖昧な指示は出さない

今はクリニックも競争が激しい時代ですので、休日には多くの経営セミナーが開催されています。

それに参加した院長は「よし!これと、これをうちのクリニックでもやろう!」と、モチベーション高く、翌日、出勤します。

そこでスタッフに「今後、うちのクリニックで〇〇をやるから!」と、伝えます。

そして、それをスタッフが戸惑いや冷めた表情で聞いている・・・
多くのクリニックで、よくある光景です。

こういう事が起こる根本的な原因は、院長が何かの取組みを提案する際、具体的に「誰が」「何を」「いつ」「どんな形で」を伝えない事にあります。

こういう状態で始まった取組みは、定着しないどころか、始まる可能性も低いです。

どのような取組みであっても、実施する際には「誰が」「何を」「いつ」「どんな形で」などの詳細を明確にして下さい。

履歴書を見るポイントとは?

私のクライアントでは、応募者から連絡があった際、まずは履歴書を送って頂く形が多いです。即ち「書類選考」です。

履歴書を見るポイントとしては、

1.ワード入力ではなく、手書きで書かれているかどうか
ワード入力している履歴書は、雇用者に「きっとこの履歴書を使いまわしているんだろうな」という印象を与えます。
やはり「採用されたい」という気持ちならば、心のこもった手書きの履歴書であるべきで、実際にワード入力している履歴書を送ってくる応募者が、そこまで良い人材だったというケースを私は殆ど知りません。

2.履歴書の写真は貼ってあるか?どんな写真か?
決して多くはありませんが、写真を貼るスペースに何も貼らずに応募してくる人がいますが、このような方は論外として、仮に写真が貼ってあるととして、どんな写真が良いのかと言うと、それはスーツ姿の写真です。
「一般企業ではないから、私服で良い」というのは短絡的な考え方です。
クリニックと言えど、履歴書の写真はスーツであるべきだと思います。

3.(特に日付、捺印など)空欄が無いか
日付や捺印の箇所があるにも関わらず空欄であると「この応募者が入社しても、細かいところで業務に抜けが生じるな」という懸念があります。

4.志望動機がびっちり書かれているか?
志望動機欄で重要なのは、書かれている内容ではなく、その欄いっぱいに書かれているかどうかという点です。
内容は、言葉ならいくらでもキレイな事や立派な事は言えるので、左程重要ではありません。

5.勤務場所がコロコロ変わっていないか?
ひとつの企業(クリニック)において、勤務歴が短かったり(1年未満)、コロコロ入れ替わっている応募者は注意が必要です。あなたのクリニックでも同じように続かない可能性があります。
「このスタッフなら長く続くのかな?」という判断のひとつの目安は「ひとつの企業(クリニック)で3年以上勤務している」という事だと思います。

身だしなみを統一させる方法

身だしなみは非常に主観的になりやすいものです。

例えば「髪の毛の色は暗めにしましょう」という基準であった場合、全てのスタッフが同じ「暗い色」の認識を持っている事はあり得ません。

スタッフAさんにとってはそこまで明るくなくても、院長が見たら「その色はちょっと明るいんじゃない?」などいう事が往々にしてあるのです。

スタッフ教育をしていく上で不可欠なのは「再現性の実現」です。

クリニックは女性職場なので、結婚、妊娠、出産、育児、夫の転勤、家族の介護などの理由で、休んだり、辞めたりするのが前提の組織です。従って「スタッフが入れ替わっても、同じ質の提供を実現する」という意識を持ち続ける事が必要です。

それは身だしなみでも例外ではなく、しっかりと具体的な基準を設定する事が大切です。

レベルスケール.JPG
これは日本ヘアカラー協会が販売している「レベルスケール」です。このような物を使い「当院スタッフの髪の毛の色は、スケールにおける”6”まで認める」などと明確に基準を設定するのです。

加速的にブランド構築が実現する方法とは?

ブランド化が加速的に進む取り組みとして、雑誌やテレビなどの「メディアに取り上げられる」というものがあります。

そこまで著名な媒体でなくても、メディアに取り上げられた際にはホームページに「メディア掲載実績」というコンテンツを作り、比較的目立つ位置に設置される事をオススメします。
「当院の顕微鏡のレンズはカールツァイス製の・・・」
「当院が〇月発売号の雑誌に紹介されました」
どちらが患者さんにとってインパクトがある記載かと言うと、断然後者です。

患者さんは医療については素人なので、医療機器や手術の方式を謳っても響きづらいのです。
「あぁ、このクリニックは雑誌に取り上げられる程、有名なのか。それなら信用が出来るのかな」という気持ちになるのです。

より競争の激しい歯科では「如何にして取材に来てくれるネタを作るか」という事まで苦心しなければなりませんが、診療以外の取組みを積極的に行っているクリニックが少ない医科においては、クリニック側から打診するだけですぐに取材に来てくれたり、記事として取り上げてくれる可能性が高いです。

ぜひクリニックのブランド構築のひとつの取組みとして、実施してみて下さい。

最も紹介カードを有効活用する方法

よく待合室や受付カウンターに「クリニック名」「住所」「電話番号」「診療時間」「地図」が記載された名刺大のカードを置いてあるクリニックがあります。

患者さんが自主的にこのカードを持って帰って下さる事も期待出来ますが、このカードを使って紹介の患者さんを増やしたいなら、最も有効な使い道はお会計の際にスタッフが「もし〇〇さんのお知り合いやお友達で耳鼻科をお探しの方がいらっしゃたら、ぜひこのカードをお渡し下さい」と、ハッキリ伝えることです。

「そんな事したら、いやらしいのでは?」と思われるかも知れませんが、そのような事を思う患者さんは殆どいないと思います。

「あぁ、分かりました」と受け取るでしょうし、実際にクリニックのファン患者さんなら、喜んで受け取り、紹介して下さると思います。

医科クリニックは歯科に比べて基本的に一日来院人数が多いですので、来院患者さん全てに声掛けするのは大変だという事であれば、例えば「白内障手術を受けた患者さん限定」「レーザー治療を受けた患者さん限定」など、ある治療を受けた患者さんに絞って紹介カードを渡すのも有効です。

一次面接はスタッフに任せる

多くのクリニックでは応募者に対して、院長、院長夫人、会計事務所の人などが面接している場合が多いです。つまり1回きりの面談で入社を決める場合が多いという事です。

確かに看護師や視能訓練士などの専門職は、何度も面接をやる事によって、先に他院への就職が決まってしまうリスクがありますので、常にどんな場合でも、面接を分けた方が良いとは言えませんが、基本的には一度の面接で入社を決めず、一次面接と二次面接に分ける事をお勧めします。

そしてこれまで経営者だけで採用を決めていたのを、一次面接はスタッフに任せてみては如何でしょうか。これによって、
・スタッフ達に「この新人は私達が選んだんだ」という責任感が生まれる

・今まで「何で、院長はすぐに人を採用しないだろう」と思っていたけど、なかなか良い人材からすぐに応募がある訳じゃないんだなという事を理解出来る

・院長が「俺はこんな応募者に会うために、忙しい中、時間を作ったのか・・・」という意識の低い応募者に会わずに済むなど、多くのメリットがあります。

個人面談を実施する

多くのクリニックでは、スタッフと2回しか個人面談を実施しません。

1回目は「入社面接」。
そして2回目は、ある日スタッフから「先生、ちょっとお話が・・・」と退職の話が出た時です。

これまで多くのスタッフと話をしてきて感じるのは、突然クリニックや院長に対して嫌悪感を抱き、退職していくのではなく、最初は「ちょっとどうかな・・・」という疑問から次第に不安を募らせ、不満が爆発し、退職していくという流れが多いという事です。

よってスタッフの退職を防ぐためには「ちょっとどうかな・・・」というステージで解決、緩和する必要があるという事です。そのために有効な方法が個人面談です。

個人面談の実施方法は拙著「クリニックマネジメント」に詳しく書いてありますので、そちらをお読み頂ければと思いますが、簡潔にお伝えすると、

1.「時間があったらやろう」ではなく、日時を予め確定させ、その旨をスタッフにも伝えること
2.なぜ個人面談を実施するのか、目的を明確に伝えること
3.「スタッフの話を聴く」という事に重点を置くこと。決して院長が喋り過ぎないこと

これらが大きなポイントです。

インカムの導入について

医科クリニックと歯科クリニックの大きな違いなひとつは、医科は完全な予約制ではないという点です(診療科目や診療方針によって、医科でも完全予約制を導入しているクリニックもありますが)。

一日の流れが読めない分、スタッフに求められる力は「スピード」と「先読み行動」です。

その他、ツールとして有効なもののひとつに、インカムがあります。

私のクライアントでもインカムを導入しているクリニックはあります。
導入率は私のクライアント全体の60%程度です。

インカムを導入する際の注意点は、

1.まずデモ機を借りて、テストしてみる
インカムは大体1機1万円はします。
いきなりスタッフの人数分を導入してしまうのは、リスクが高いですので、業者に「まずデモで導入したい」という旨を伝え、数日間テストする事をお勧めします。

2.テストは、各部門長が行う
おそらく業者はスタッフの人数分のデモ機を貸してくれる訳ではないと思います。
貸し出し機数が限られている場合には、受付チーフ、看護師チーフ、臨床検査技師チーフなど、各部門のチーフや、最もキャリアの長いスタッフに装着してもらうと良いです。

3.インカムに対して、前向きな気持ちを院内に浸透させる
インカムに限らず、そもそも「100%良い面しか無い取組み」など、存在しません。インカムについて言えば
「耳が痛くなりやすい」
「患者さんと話をしている時に、声が聞こえてくると集中出来ない」
「ハッキリ言ってくれないと、何を言ってるか分からない事がある」

などのマイナス意見が出る事が予想され、それらの意見もあながち間違いでないだけに、マイナスの意見を重視していると「そもそもインカムが必要なのか?」という根本的な議論に発展してしまい、物事が進まないという事が十分考えられます。

ミーティングなどで、院長(またはチーフ)から「こういう点がマイナス面として、考えられるけど、逆にこういう面でプラスがあると判断しましたので、インカムを導入します」という形に持っていく事が大切かと思います。

「喉元過ぎれば・・・」ではありませんが、導入前はマイナスな意見を持っていたスタッフも、実際に使ってみると、その便利が理解出来るという事が往々にしてあります。

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