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患者数を増やす方法

クリニックの増患対策

増患するための根本的な質問

増患は一朝一夕で実現しません。
ノウハウやツールを導入したからと言って、すぐに結果が出る訳ではありません。
何故ならば、ノウハウやツールを生かすのは「人」だからです。

増患するにあたって、根本的な質問があります。
それは「もしあなたが患者だったら、うちのクリニックで診察を受けたいと思いますか?」というものです。

今は周囲に競合がおらず、そこまでクリニック経営の努力が必要ないクリニックならともかく、ある程度、競合クリニックもあり、これから努力していかなければ、患者が減少していく可能性のあるクリニックであれば、上記の質問をぜひスタッフにしてみて下さい。

ちなみに「診察を受けたい・・・」という部分を「白内障手術を受けたい・・・」「インプラント手術を受けたい・・・」「ボトックスを受けたい・・・」でも構いません。

また「あなたの大切な人(家族、恋人)に、うちのクリニックで診察を受けて欲しいと思いますか」という質問も有効です。

これまで1000人を超えるスタッフと面談をしてきて、
「私が患者だったら、先生の診察は受けたくありません」
「私の家族には、うちのクリニックで〇〇の手術は受けさせません」
という言葉を、悲しい事ですが、何度か耳にした事があります。

このようなクリニックにおいて増患や手術の件数が増える事はかなり困難です。
そこで働くスタッフが、クリニックの良さを認識していないのですから無理もありません。

院長にとっては辛い場面だと思いますが、もしスタッフからこのような言葉が聞かれたり、態度を見受けた場合には、そこに問題の本質がある訳ですから、
「じゃあ、あなたにとって、どのようなクリニックになれば、あなた自身が診察を受けたいと思う?」と聞いてみて下さい。

余程信頼関係が崩壊していなければ、素直に話をしてくれると思います。

入社オリエンテーションで新人に伝えること

新人スタッフ教育について重要な事は「大切なメッセージほど、入社すぐに伝える」という事です。新たなメッセージは時間の経過と共に、伝わりづらくなっていきます。

例えば、クリニックの身だしなみについて、入社間もない新人スタッフに「当院はピアスやネックレスなどのアクセサリーを付けたままの勤務はダメですよ」と伝えた際、新人は「このクリニックはそういうものなのか」と思い、素直に受け入れると思います。

これが今までそういう事を言ってこなかった、入社4年目のスタッフに伝えたらどうなるでしょうか?確実に「何でそんな事を今頃言うんだ」「今更そんな事言われても・・・」と反発する可能性がかなり高いと思います。

そのような理由から、新人スタッフに「当院で働くにあたって大切なこと」という入社オリエンテーションを、入社してからそこまで日にちが経っていないうちに実施する事をお勧めします。この入社オリエンテーションでは、

・医院理念
・当院の身だしなみ基準
・「メモを取る」「先輩よりも早く現場に来る」など、新人に対して求められる姿勢
・試用期間終了までの給与について
・試用期間中のカリキュラム
・試用期間中に実施するテスト

などについて伝えると良いかと思います。

全ての人が患者になり得るという意識

患者を増やすと言っても、簡単に実現出来る訳ではありません。

クリニック経営に関するセミナーには「〇ヶ月でたちまち新患数が昨対比〇%増が実現!」などの見出しが躍る事もありますが、そこまで短期間に数字が上がるなら、殆どのクリニックは経営に困らないと思います。

考えうる限りの取組みを、最大限の力で長期間取り組んだ結果として、数字が上がっていく。

これが三桁を超えるクリニック経営のアドバイスをさせて頂いた私の現在の結論です。

例えば今回ご紹介する取組みも、そんな内容のひとつです。
7月目標.jpg
この眼科クライアントでは毎月医院の目標を設定しています。

ちなみに写真は2013年7月の目標ですが、取引業者まで大切に関わろうとしている姿勢が伝わってきます。

このクリニックはそれを狙いにしている訳ではありませんが、業者は様々なクリニックを見ています。

必然的に業者の方ご本人はもちろん、ご家族や友人に「どこか良い眼科(など)クリニックは無い?」と聞かれる事も多いと思います。

そういう時、それまで自分に良く接してくれているクリニックを紹介したいと思うのは、自然な感情ではないでしょうか。

このように「当院に関わる全ての方を大切にしよう」という姿勢が、結果的に良い口コミを生み出し、増患に繋がってくるのです。

院長のブランド=クリニックのブランド

クリニックにおける最大の商品は院長です。誇張はNGですが、如何に院長のキャリアや実績を患者に分かりやすく伝えられるかは、ブランド構築において大切なポイントです。

まず出来る事として、ホームページに使う院長写真は、ぜひプロのカメラマンに撮ってもらう事をオススメします。やはり「餅は餅屋」です。
アマチュアがデジカメで撮った写真と、プロがそれなりのカメラを使って撮影した写真では、質が全く違います。

顔写真のポイントとしては、何と言っても笑顔であるという事です。

ただでさえ、医療機関は行きたい場所ではありません。それに加えてホームページを見た際、院長の写真が暗かったり、マスクをしたままの写真では、更に患者の気持ちは遠のきます。

そこに白い歯を見せ、口角が上がった院長の笑顔の写真が掲載されている事で「この先生は優しそうだから、この医院に行ってみるかー」という気持ちになるのです。

離職率が下がった事で業績が上がった耳鼻科の例

クリニックの業績とスタッフの離職率には相関関係があります。

スタッフの離職率が低いクリニックは業績が上がりやすいです。換言すれば離職率が高いクリニックは業績が伸び悩むという事です。

なぜ離職率が高いと、業績が伸び悩むのでしょうか?

現代はもはや「開業すれば、黙っていても患者が集まる」という時代ではありません。患者がクリニックを選ぶ時代です。

だからこそ既存患者が紹介してくれたり、継続して来院してくれるクリニック作りが必要であり、そのためには診療だけしているクリニックではなく、診療以外に様々な取組みに力を入れる事が大切なのです。

では、試用期間過ぎて間もない新人が中心のクリニックで、診療以外の取組みに力を入れる事が出来るのでしょうか?

答えはNOです。

新人は日々の診療業務をこなすのに精いっぱいで、なかなか診療以外の業務に力を入れる事が出来ないのです。

耳鼻科のクライアントは、コンサルティング前は離職率が決して低くはありませんでしたが、院長先生の頑張りにスタッフが応えるような形になり、次第に離職率が下がり、順調に業績が右肩上がりを記録しているそうです。

スタッフが持つ2種類の財布

スタッフは「2種類の財布」を持っています。
ひとつは「物理的財布」です。これは給与の事を指します。

平均を大きく下回る給与だったり、本来発生すべき残業代がついてなかったりすると、スタッフはモチベーションが下がります。よって、お金はモチベーションになります。

では、高い給与であればそれでスタッフが満足するかと言うと、決してそんな事はありません。なぜならスタッフはもうひとつの財布である「心理的財布」を持っているからです。

心理的財布とは「私はここに居て良いんだ」「私はこの職場に必要とされているんだ」という感情が湧いて来れば来るほど、次第に貯まっていきます。

その感情を起こす事が出来る簡単な方法が「ありがとう運動」の実施です。

「スタッフにありがとうと言いましょう」などと、とても当たり前の事が書かれているようですが、院長の想像以上に、院長はスタッフに感謝の気持ちを伝えていませんし、スタッフは院長からの感謝の気持ちを欲しています。

今日、院長先生はスタッフに何回「ありがとう」を伝えましたか?

物理的財布と心理的財布、どちらが欠けてもスタッフのモチベーションは上がる事はありません。どちらも満たしてあげる事が大切なのです。

良い人材からの応募が増えた眼科クリニックの例

良い人材を雇用するために欠かせないのがホームページです。

ホームページの「求人情報」というコンテンツの中に「医院理念」「当院で学べること」「当院で働く事でどんな事が身に付くか」などを織り込む事が大切です。

この他に「求人情報」に欠かせないのが「当院で働いているスタッフの声」です。

愛知県の眼科クライアントは、当初あらゆる情報を盛り込んだ求人情報のページはあったのですが、この「当院で働いているスタッフの声」がありませんでした。

約半年位前に、求人情報のページにスタッフの声を追加したところ、応募数が増えただけでなく、とても質の高い人材からの応募が増えたのです。

やはり既に働いている先輩スタッフのリアルな感想というのは、応募者に響くものだと再確認した事例でした。

保育士、栄養士、臨床検査技師などを採用する際の注意点

一日を通して資格を生かした専門的な仕事ばかりであれば良いですが、現実的には受付や看護助手的な業務も兼務する方が、クリニックで働く専門職の場合、一般的であると思います。

しかし基本的に専門職は、その資格を生かした仕事をしたい、または、このクリニックであればそういう仕事ばかりが出来るんじゃないかと思っている方が大変多いです。ここでクリニック側と応募者とで、業務内容に関するギャップが生じます。

「クリニックは少数のスタッフで構成されている組織ですので、専門的な仕事ばかりではなく、電話に出たり、お会計をしたり、診察の介助をしたりなどの業務も多いですが、それでも良いですか?」という事を面接時にしっかりと伝える事が、ギャップを生みにくくするポイントです。

どんな患者にどんな診療をしていきたいのか明確にする

競合クリニックが増えていく中で、ひとつのキーワードは「差別化」です。

「数あるクリニックにおいて、なぜ、何のために当院に来て頂く必要があるのか?」を打ち出したものが差別化となります。

差別化を実現するためには、クリニックのコンセプトを明確にしなければなりません。

・どんな患者に来院して欲しいのか?
・どんな医療を提供していきたいのか?
・来てほしい患者が響くようなメッセージを伝えられているか?
・どんな手段でメッセージを伝えているか?
・院長の考えをスタッフは理解しており、それが行動に表れているか?

などを考え、実践していく必要があります。
一朝一夕にブランドは造られるものではありません。

日々の小さな実践の繰り返しです。
しかし「〇〇と言えば、●●クリニック」というブランドが確立した時、近隣にどんな競合クリニックができたとしても揺るがない、盤石なクリニックが出来上がるのです。

スピードアップに向けて、まず大切なもの

医科クリニックは歯科と違い、殆どが保険診療です。来院人数が医業収入に直結しますので、より多くの患者を、限られた時間の中で診ていく必要があります。必然的にスピードが求められます。

クリニック全体のスピードを上げるために不可欠なのは、トップである院長がスピードを上げる事に対して、高い意識があるかどうかという事です。
掲示.JPG
例えばこのクリニックでは、院内(もちろん患者の見えない場所です)にこのような掲示がされています。時間に対しての意識の高さを感じます。

ちなみに弊社では「当院で働く上で不可欠な3つのS」と題し、そのひとつに「Speed」を挙げています。このようなところから、迅速に行動する事の大切さを伝えているのです。

様々なノウハウやツールを導入する前に、そもそもクリニック全体に時間に対しての高い意識があるかどうかを考えてみて下さい。

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